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今回入荷した本はこちら。
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人生の勝算 (幻冬舎文庫)(Amazon)




1.本の全目次

プロローグ 経営はストリートから始まった

第1章 人は絆にお金を払う
原点となるギター弾き語り時代
なぜスナックは潰れないのか
トモノ消費からヒト消費へースナックの客は人との繋がりにお金を払う
AKBグループが強い理由
ファンの「中の人」化でコミュニティが強くなる
AKBはスナック街である
共通言語があるかどうか
コミュニティ作りがあらゆるビジネスの鍵になる

第2章 SHOWROOMが作る新しいエンターテイメントのかたち
ファンビジネスの4象限
秋元康さんは下の2象限を見ている
クオリティとは何か
第二の自分がコミュニケーションを加速させる
「前向き課金」と「後ろ向き課金」
観客がコンテンツになる
インタラクションがクオリティとなる価値観を再定義したい

第3章 外資系投資銀行でも、求められたのは「思いやり」
超えられそうになかった「宇田川さん」
一人の力では地球は動かせない
当たり前のことを圧倒的なエネルギーでやり続ける
まずゲームのルールを理解する
コミュニケーションとは、さらけ出すこと
営業で勝つためにはニーズの見極めがすべて
ディベートで鍛えた瞬発的仮説的思考力
ハードスキルより重要な人当たりのセンス
思いやりとは、「他者」の目を持つこと

第4章 ニューヨーク奮闘記
アメリカではクレージーなキャラを演出
「チーム全員の売上を一人で稼ぎます」
代替不可能な価値を果たせているか
モチベーションはどんな仕事術にも勝る
見極めてから掘れ
人の3倍の密度で生きる
自分について考えたノートを何冊作っているか
人生のコンパスを持つ
他社の価値観という物差しを当てる
「決めている」ことの強さ
終わりを意識しているか

第5章 SHOWROOM起業
南場さんに会いに行く
「起業道場」DeNA
情熱を投じた量に応じて結果の出る世界を創りたい
人の根源的欲求に根差したサービス
ビジネスパートナーは「東京の東側の匂い」がする人がいい
絶対に揺るがないビジョンの見極め
挫折に次ぐ挫折と、ぶち当たった現実
アイドルを軸にスタートした最大の理由は”熱量”
現場から信頼が生まれる
愚直な営業で信頼を積み上げる
種火なくして炎は立たない
扉は開くまでしつこく叩き続ける
秋元康さんとのご縁

第6章 SHOWROOMの未来
ソーシャルネットワークの次に来るもの
世界一にこだわる理由
アメリカ人はルール作りに長けている
誰もが平等に機会を得て、努力でスターダムにのし上がれる世界へ

エピローグ コンパスは持っているか

2.著者と本の概要

者は前田裕二氏。早稲田大学卒業後、外資系投資銀行に入社。現在はLIVE配信サービスSHOWROOM株式会社の代表取締役社長を務める。著書に『メモの魔力 -The Magic of Memos- (NewsPicks Book)』がある。


書では前田氏の壮絶な人生ストーリーが語られています。爽やかイケメン社長の前田氏からは想像のできないような物語です。彼のビジネスは両親を亡くした8歳から始まります。18歳上のお兄さんと一緒に親戚の家を転々と回っていたそうですが、お金を稼ぐ必要があると感じ、路上のストリートライブを開始するのです。しかし、最初から上手くいくわけがありません。ただ、彼は諦めませんでした。試行錯誤を繰り返し、お金を稼ぐ方法を8歳ながら経験で会得するのです。

これは始まりの物語に過ぎません。前田氏は人生をかけてビジネスの真髄を学んでいきます。彼の成功への道のりは彼の経験則から編み出しているものです。

前田氏が人生を通して培った成功法則を、あなたのビジネスに取り入れてみませんか?

3.この本のスリーポイント


本書のポイントを3つに絞ってみました。

3-1.前田裕二は天才じゃなかった

明るく爽やかなイケメン社長の前田裕二氏。なんでも器用にこなせそうですよね。
僕も本書を読むまではこう思っていました。

「前田さんみたいな恵まれた才能がないと成功しないんだろ」

めっちゃひねくれていますよね(笑)でも、本書を読んでイメージが大きく変わりました。
彼の人生は苦労泥臭い努力の連続だったのです。
  • 8歳で両親を亡くし、お金を稼ぐためにギター1本で路上ライブ
  • 就活の自己分析ではノートを30冊以上書く
  • 外資系の投資銀行に勤務していた時は、毎朝4時半~5時に出社
  • 自転車のサドルが盗まれたときは、前向きに考えて立ち漕ぎを極める
  • ニューヨーク勤務の時は誰よりも早く出社し、誰よりも遅く退社

ニューヨーク勤務の時は、あまりに仕事の鬼だったため『クレイジー裕二』というあだ名がついたそうです。上記は彼の人生の一部分に過ぎないでしょう。本当はもっともっとクレイジーなエピソードがあるように思います。

しかし、凄いのは上記の努力量だけではありません。試行錯誤の能力に長けているのです。試行錯誤はPDCAサイクルともいいますね。

例えば彼が8歳で始めたストリートライブ。始めたころは誰もお客さんが立ち止まってくれませんでした。そこで前田氏は考えます。

「知らん曲(オリジナル)より知っている曲(カバー曲)の方が聴いてくれるのではないか」と。

そこからは当時流行っていたアーティストの曲をひたすら練習。お客さんが少しずつ立ち止まってくれるようになったのです。その後も下記のような仮説をたてて実行していったところ、毎月10万円を稼げるようになったのだとか。
  • 「(ライブをしている)葛飾区の人はお金に余裕がないのかも?(お金持ちの多そうな)港区白金でやってみよう!」
  • 「白金には綺麗な大人の女性が多いな…。彼女たちが好きな確率が高い曲を歌ってみよう!」

何回も失敗しては、仮説をたてて実行する。現代のビジネスでも大切なことです。

いかかでしょうか。このエピソードは8歳ですよ?
前田氏が成功続きの器用イケメンでないことがお分かりいただけましたか?(笑)


仮説と検証はビジネスの基本だと言われていますが、失敗で挫折してしまう人は多い。ライブドアの創設者 堀江貴文氏も「たくさん失敗して、その中のいくつかが上手くいった」と述べています(参考図書:『多動力 (幻冬舎文庫)』)。

3-2.やる前の「見極め」に命をかけろ

とりあえず行動せよ。という言葉がビジネス界では流行っていますよね。行動できない人が多い社会ですから、間違っていない理論だと僕も思っています。

しかし、モチベーション高く始めた行動も結果がともなわなければ、どこかで心が折れてしまうでしょう。宝の出ない土の中を一生掘り続けるのは苦痛でしかありません。

そのため、前田氏は行動前の「見極め」を入念にせよと言います。仮説分析ですね。宝を掘り当てるためには、広い土地のどのあたりに埋まっていそうか、何メートルくらい掘ると出てきそうかという情報収集が欠かせません。

では、ビジネスに置き換えてみましょう。「人気Youtuberを目指す」という目標を持ったとします。素人はいきなり動画をたくさんあげて、登録者数が伸びなくなったころに諦めるものです。なので、事前に下記のような情報収集を行います。
  • 最近の伸びている動画の特徴は?(サムネイルは?いいね数は?動画時間は?)
  • Youtube登録者数が多いYoutuberの特徴は?(どんな動画をいくつあげている?)
  • 視聴者はどんなユーザーが多い?(男性?女性?年齢は?コメントする人はどんな人?)
これらを分析した上でチャンネル作成、動画作成を模倣していくと、やみくもにYoutube動画をアップするよりも高い確率で人気Youtuberへの道が切り拓けます。

実は僕がTiktokをフォロワー5万人まで伸ばしたときがそうでした。伸びている動画や伸びている人を見て、パクっ…模倣させていただいておりました。

努力の量も大切ですが、努力の方針も重要なのです。

分析力に定評があるのは、メンタリストDaiGo氏でしょう。彼の考え方・思考を取り入れるのも良いかもしれません(参考図書:『悩む力 天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」』)。


3-3.人生のコンパスを持て!

今は生き方を自由に選べる時代です。前田氏は幸福になるために「人生のコンパス(羅針盤)を持て」と言います。
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人生のコンパス…つまり、自分の人生の中で何が一番大切か?を決めておくことです。

前田裕二氏前田氏のお兄さんのお話で説明しましょう。

前田裕二氏のコンパスは「仕事」です。一日中、仕事に明け暮れる日々に充実感を得ています。

一方、前田氏のお兄さんは「家族」。お兄さんは結婚していて子どもが2人います。仕事を午前中に終わらせて、子どもと一緒に遊んだり、子どもをお風呂に入れたりしているのです。

お兄さんは「仕事」を生きがいとする前田裕二氏とは違って、「他のどんな事柄よりも家族に時間を使う」「家族を大事にする」という価値観を大事にします。

そして、このコンパスの違いはどちらが上でどちらが下というわけではありません。

最も不幸せなのはコンパスを持たない人生です。自分が何を大事にして生きていけばいいか分からない人は、生きている価値を見失ってしまいます。

僕の今のコンパスを考えてみた場合、「自由」かなと思いました。公務員を辞めてフリーランスとして働いている今、毎日とても充実感を得ています。

僕はすぐに飽きるし、いろんな仕事をしてみたいし、いろんな所へ行ってみたいと思う性格です。今やっている仕事も一生はしないと感じています。なので、結婚して家庭に縛られるのも嫌ですし、独身で自由でいたいとも思っているのです。

やりたいことはやるし、やりたくないことはやらない。そして、やりたいことは誰に何を言われてもやります。だって、面白く生きたいじゃないですか。

さあ、あなたの人生のコンパスは何ですか?

これはキャリア形成をする上でも大切なことですね。自分と向き合う時間は定期的に持つといいでしょう(参考図書:『今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』)。

4.この本を読んでほしい人

  • 「成功したいビジネスマン」
  • 「自分には才能がないと思っている人」
泥臭い努力が成功につながります。しかし、泥臭い努力にも方向性が大切だと教えてくれる一冊です。

5.ぱぶろの感想

本書を読んで前田氏の印象が大きく変わりました。2ちゃんねる創設者のひろゆき氏とは、タイプの違う成功者のようです。ひろゆき氏は最低限の努力で成功への抜け道を通っていきます。一方、前田氏は圧倒的な努力量&分析量をこなし、成功への道を通っていくのです。

何度も言いますが、前田氏は爽やかイケメン社長なので、器用な天才さんと思っていました(笑)人は見た目で決めてはいけませんね。ただ、彼は試行錯誤の天才のように感じています。仮説を立てて実行するPDCAサイクルを回すことが上手なのです。

僕も仮説を立てて実行する重要性は、情報発信という経験から学びました。例えば「バズらせたい動画をバズらせる」とかですね。仮説が当たると面白いので、ハマってしまいました。

最後はぱぶろ流の考え方なのですが、この世はすべてゲームだと思うといいんですよ。ゲームって上手くいかなかったら、「次は別の方法を試してみよう」と思うことができますよね。ここに「失敗したらどうしよう!」などとは思わないはずです。

生きていればだいたい何とかなると思い、人生も「上手くいかなかったら別の方法を試そう」と考えてみてください。結構、心が楽になりますよ。そして、前田氏の「仮説を実行する」に通ずるところですしね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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前田裕二
幻冬舎
2019-06-11


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